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中野美穂子

クローバーキッズ学芸大学・療育児童スタッフ

国立音楽大学ピアノ科卒業後、小中学校の音楽講師として勤務。あるダウン症の子どもとの出会いをキッカケに療育に興味を持つ。その後、療育センター、大学病院の幼児デイケア、小児リハビリテーション室での音楽療法実践を経てクローバーに入社。現在は保育士養成校の講師をしながら、クローバーキッズでリトミックをベースとした発達障害の子どもたち向けの音楽療育を考案している。

子どもたちの「やりたい!」を大事に、「いま出来ることを精一杯やる」

様々なスタッフの活躍が多角的に子どもたちにアプローチできる 

―この仕事を志そうと思ったキッカケは?

音大のピアノ科を卒業後、小中学校の音楽講師として働いていました。その中で子どもたちと関わることはあっても、「療育」には全く関わっていなかったんです。ある日、バス停で一人のダウン症の子どもが、母親と間違えて私のもとに駆け寄ってきたことがありました。その子は私の顔を見ると、にこっと笑顔を見せてくれました。その時に、「この子はどうやって音を感じ取るんだろう?どうやってピアノを弾くんだろう?」とすごく興味が湧いてきたのです。それが初めての療育との出会いでした。

その後、ある小児科医の先生との出会いや、療育センターでのスタッフ、保育士養成校の講師の経験をしながら、独学で音楽を療育に取り入れていく方法を学んできました。

放課後等デイサービスでの勤務を考え始めたのは、自分の子どもたちが独り立ちし始めて、「これからが私の人生だ!」となったことがキッカケです。今は、ママたちも生き生きと仕事をして活躍する時代です。発達障害児をお持ちのママたちの支援も、それだけ必要になってきているはず。これまで子どもたちと関わってきた経験、学んできた音楽と療育の経験を活かしながら、そんなママたちの支援もできたらと思い、新しくここでのキャリアを作っていきたいと思いました。

―なぜクローバーキッズを選びましたか?

放課後等デイサービスの中には、音楽療育に理解が少ないところもあります。また、同じ年齢層のスタッフだけで固めてしまっているところも・・。クローバーキッズは、管理者の先生自身がギターを弾かれる方で、子どもたちへの音楽療育にとても理解を示してくださいました。また、これまでも療育の現場で働いてきたスタッフの他にも、学童で勤務していた人、保育士だった人、学校の教師だった人とキャリアもいろんな人々がいて、年齢層も幅広く在籍していました。さまざまなスタッフがいる分、子どもたちにも多角的なアプローチができると思います。何より、スタッフ一人一人に、子どもやこの仕事にかける情熱もありました。スタッフ同士も互いを認め合える風土があったことも、ここに入社を決めた理由です。

 

子どもたちを成長させてくれるのは、同じく子どもたち。主役は常に子どもたちである。

子どもたちと接する時、大事にしていることは何ですか?

「子どもたちが生まれつき持っている資質」と、ご家族が考えている「『この子にはこんな子に育って欲しい』という願い」を想像しながら、子どもたちと向き合うことです。また、子どもたちが話す速さ、音などの「呼吸」を感じながら、私も子どものその呼吸と同じように返すようにも心がけています。子どもたちへの愛情があるあまり、一方的に近づきすぎると、子どもにとっては良くありません。彼らが示してくれた分、自分も返すことで少しずつ距離を縮めていきます。思春期の子や、初めて会う子は特に難しい。そういった子どもたちとの向き合い方は、まだまだ私も学んでいかないといけない部分だなと感じています。 

―CLOVERで最も心に残っているエピソードはありますか?

私がもう一つ大事にしていることは、決して子どもたちに「無理やりやらせないこと」。ピアノを教えるときも、私からは声をかけず、子どもたちから「弾きたい!」と言ってくるまで待つようにしています。

私が入社して音楽を活動に取り入れ始めてから、多くの子どもたちはすぐに興味を持って弾ける曲が出来上がっていきましたが、しばらくピアノには触れてこなかった子がいました。その子がある日、「私も弾きたい!」と自分から言ってきてくれたんです。

それはなぜか?と考えると、周りのクローバーキッズのお友達、お姉さん、お兄さんが弾けるようになってきたからだと思います。ここでの主役はピアノを教える私ではなく、子どもたち自身です。私が「これをやろう!」と呼びかけるからやるのではなく、その子にとって「あこがれの存在」になるようなお姉さん、お兄さんを子どもたちの中で作ることで、彼らがやっている姿を見て、「私もやりたい!」と自発的に動きたくなるようにしています。 

「今できる精一杯」をやって、私にしかできない新しい療育を作っていきたい

―今後の目標はありますか?

音楽を療育に取り入れていく中で考えていることは、「音楽」「言語」「運動」のトライアングル効果を生み出しながら、発達障害の子どもたちがつまづきやすい「学習」への効果につなげていくことです。ただの音楽表現ではなく、リハビリ面や、運動面でも効果があり、言葉、手先、心、身体が発達していく時期の子どもたちの能力を最大限引き出していくことで、学習面での表現力にも効果が出てくるだろうと考えています。医学的にしっかり意味のある、私にしかできない「新しい子どもたちへのアプローチ」を作っていきたいと思います。

また、私が保育士の講師をしていく中で学生にも伝えていることですが、「現場は小さなお別れ」だと思っています。いつ、目の前の子どもたちと会えなくなるか分からないのが人生です。だから、子どもたちと向き合うときは常に、初めて会った瞬間から、いまできる精一杯のことをしようと考えています。

ピアノを活動に取り入れ始めたいま、保護者からも「娘のピアノを弾く姿が見たい」という声を聞き始めています。子どもたちが自ら「ママに聴かせたい!」と言ってきてくれる日を待ち望んで、近々保護者向けにピアノ発表会ができたらいいなと思っています。また、赤ちゃん向けの研究会や、母子関係向上のための療育相談会など、支援の幅も広げていけたらいいですね。