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西田七海

デイサービスクローバー・キャスト

大妻女子大学・人間関係学部・人間福祉学科を卒業後、2020年4月にクローバーに新卒入社。大学時代に経験したデイサービスでのアルバイトをきっかけに、利用者主体になれる福祉の形を追い求めてこの業界での就職を志す。現在は、デイサービスクローバーのキャストとして活躍中。新卒で入社してすぐの頃からイベント企画も行い、現在は契約から後輩育成まで幅広く業務に関わる。

「今日もありがとう、また明日」が言える場を作る。そこに集う誰もが一員になれるデイサービスを目指して。

■福祉の仕事を志したきっかけを教えてください。

大学で高齢者から子供まで幅広く、福祉の制度や支援などに関わる内容を学んでいました。でも初めから特別に福祉を学びたかったわけではなく、たまたま受かった学部の一つという感覚でした。

本格的に福祉で仕事を考え始めたのは、在学中にしていたデイサービスでのアルバイト経験がきっかけです。そこは、私がこれまでイメージしてきた「介護」「認知症」の概念を壊される場所でした。

そのデイサービスでは、スタッフの中にも若年性アルツハイマーの方がいて、40〜80代まで幅広い認知症の方たちがいました。そして利用者もスタッフも、そこに集うすべての人を「メンバー」と呼んでいたんです。

私はそれまで「人が好きだし、困っているおじいちゃん、おばあちゃんの助けになりたい」と漠然と思っていたんですが、それってすごく「一方通行だったな」と、そこでの経験を通して気づかされました。そのデイサービスでは「利用者か、職員か」「病気があるか、ないか」は関係ないんです。当たり前に、困っていたらお互いに助け合う。純粋に人と人が関わる場所で素敵だなと思いましたし、今の自分が大事にしている考え方の土台が形成されたと思います。

そのアルバイト先はすでに私の居場所の一つになっていましたし、大学卒業後もそのまま就職しようかなとも考えていました。でも、「ここは一つの“成功の形”だけど、他にはどんなところがあって、どんなやり方をしているんだろう?」と思ったんですね。ここで留まっていたらもったいないなと思い、他の福祉の”成功の形”を見るために、就職活動を始めることにしました。

■CLOVERに出会ったきっかけ、入社の決め手を教えてください。

ネットで「デイサービス おもしろい」「デイサービス 自立支援」「デイサービス 当事者主体」というキーワードで探しているときに、CLOVERに辿り着きました。HPに書かれていた「笑顔になれるデイサービス」「ゲストが役割を持つ」「『ありがとう』は言われるよりも、言う言葉(=ゲストに活躍してもらう)」という言葉たちを見て、「ここだ!」と感じました。

入社の決め手は、「事業所によってカラーや雰囲気が違う」「社内異動は転職するのと同じくらい、事業所によって想いや理念が違う」という話を聞いたことです。この会社に入れば、さまざまな”成功の形”が知れるんじゃないか?と思いました。まさに、私が就職活動を始めた目的でもありました。社長の香丸さんの話を聞いていても、その考えに共感できることばかりで、CLOVERに入社しようと決めました。

■新卒で入社して、まず「1年目」に学んだことはどんなことですか?

デイサービスって、やることが決まっているのかな?と思っていたんですね。でも想像以上に「やりたいことをやらせてもらえる環境」でした。私が「やってみたい」と言えば、「いいね、やってみなよ」と言ってくれる上司がいて、実現させるためにはどうしたらいいかを一緒に考えて、悩んでくれました。

私が初めて企画したのは、「レジンアクセサリーづくり(※)」です。その企画を上司に相談したときに言われたことは、「自分のやってみたい気持ちが先行した企画になっていない?」でした。

デイサービスに来ているゲストは、認知症や機能の低下によって、周りの人から「してもらう」ことが多くなってしまいがちな環境にいらっしゃいます。企画案にフィードバックを受けた時、改めてその視点について考え直し、「アクセサリーを自分のために作るのはもちろん、お孫さんや家族のために作ってもらうのはどうだろう?」「誰かのために何かしたいというゲストの気持ちを大切にしたい」と思いました。デイサービスという場所は、レクリエーション一つとっても、ゲストのために何ができるのか?を深掘りする場所なんだなと思いました。

(※)レジンアクセサリー作り:合成樹脂でつくるハンドメイドアクセサリー

■その後、2つ目の事業所に異動したと思います。そこでの新しい発見はありましたか?

入社して9ヶ月目くらいでの異動でした。この異動によって自分が学んだのは、一緒に働くキャストとのコミュニケーションだと思います。

入社する前から聞いていたように、まず事業所によるカラーの違いを感じました。1つ目の事業所ではイベントをすることが多かったのですが、2つ目の事業所では「日々の日常ケア」を大事にする文化でした。

異動したばかりの頃、そういう文化の中でやってきたキャストたちに対して、イベントをすることが当たり前だった私がいろいろやろうとするものだから、最初は他のキャストを戸惑わせたのではないかな・・と今では思います(笑)

そんな時に役に立ったのが、1つ目の事業所時代に教わった「企画書」でした。どういう目的で、どんなことをしたいのか、しっかり企画書にして、他のキャストと共有します。企画書にすると視覚的にやることが明確になるので、あまりイベントをやったことがないキャストも「私はこれをやるね」と協力してくれます。新しい事業所のキャストたちもみんな優しくて、「こういうことをやってみたい」と提案すると、「いいね、やってみよう」「何を手伝ったらいい?」と背中を押してくれたので、とてもありがたかったです。

また、自分のやりたいことや想いを発信することも大事だと思います。私も自分の意見を主張することは得意な方ではないですが、お互い言葉にしないと分からないですし、いま先輩という立場になって、後輩たちにもどんどん言葉にしてほしいと思っています。

■一番心に残っているエピソードを教えてください。

新卒2年目が終わるくらいの頃、一人で契約まで行えるようになって、あるゲストを担当した時のことです。そのゲストは、娘さんと二人暮らし。当初はご自身で身の回りのこともできる方でしたが、入院をきっかけに、退院後にADLが落ちてしまいました。娘さんが飲食店を経営されていて不在のことも多かったため、CLOVERを利用してくださることになりました。

契約を担当した日、翌日から利用がスタートだったので「明日、お迎えに来ますね!」とお伝えして、ご本人とも良い雰囲気でお別れしたんです。でもいざ次の日にお迎えにいくと、「そんな約束はしていない」「私は行かない」と言われてしまい、事業所までお連れすることもできませんでした。

そこから利用を予定している日には、なるべく毎回私がお迎えに行くようにしました。なかなか「行く」とはおっしゃっていただけないのですが、お話が好きな方だったので、とにかく毎回お迎えに行ってお話をして帰ってくる。そんな期間が2ヶ月くらい続いたと思います。そんな風に通い続けたある日、「いつもどの靴を履いてお出かけされるんですか?」というお話の流れから、ついに車に乗ってくださり、利用をスタートすることができたんです。

いざ利用をスタートされると、その方は元々社交的でおしゃべりが好きな方なので、すぐにたくさんお友達ができました。最初は週2日の利用だったんですが、今では毎日利用。うちのお泊まりサービスで宿泊された日の翌日は、「帰りたくない!」とまでおっしゃるくらいなんですよ。

素敵だなと思ったのは、「笑顔は伝染するんだな」ということです。その方と仲良くなった他の新しいゲストが、「楽しいから、もう1日来る日を増やしたい」と言ってくれたんですね。デイサービスのご利用は、ご本人の希望よりも、ご家族の負担軽減として始まるケースも多いです。でもそんな中でもやっぱり、ご本人が「ここに来たい」と思っていただける場所にしていきたいなと、改めて感じさせられた出来事でした。

■最後に、今後の目標について教えてください!

2つ目の事業所で経験を積む中で、元々私が就職活動の目的としていた「新しい成功の形」を一つ見つけることができたなと思っています。

学生時代のアルバイト先では、若年性アルツハイマーの方や自立度が高い方も多かったので、活動できる幅も多かったんですね。でもCLOVERではより高齢の方や、参加できる活動に限りがある方もいらっしゃいます。CLOVERの「役割を持つ」という考え方は、「できることがあるか、ないか」ではなくて、「そこに居るだけでありがたい」ということも含まれるのでは?と思うんです。「何もできなくなっちゃった」とおっしゃるご本人やご家族がいらっしゃいますが、そんなことはないと思うんです。特別なことをしなくても、CLOVERに来て、他愛もない話で笑い合って、「今日もありがとう、また明日」ってそれだけで素敵じゃないですか。その方がいて、他の人もいて、私もいて、「そこに居るだけでも、その方にとって安心できる居場所をどうやったら作れるか?」ということを考えるようになりました。介護度に関係なく、ゲストひとりひとりの居場所になれるデイサービスでありたいし、そんな居場所を作る一員でありたいなと思っています。

よくいろんな先輩に「早く管理者に挑戦してみなよ」と声をかけていただくんですね。とてもありがたいです。CLOVERに入社してから、事業所を超えて、本当にいろんな人が助けてくれた3年半でした。今は、この会社に恩返しがしたいという想いでいっぱいです。どんな形であれ、CLOVERに任せたいと言っていただけることは、全力でやらせていただきたいなと思っています。

他のキャストに聞きました!
西田七海さんってどんな人?

丸山紀州 デイサービスクローバー・マネージャー(上司)

西田さんは新卒2年目で代々木上原に異動されてきました。最初に配属された事業所では
事業所で行うイベントをしっかりと企画書にまとめて共有するように指導されていて、
今の事業所でも独自に企画書を作成共有し、数々のイベントでゲストに楽しんでいただいています。
また、その企画力だけでなく行動力や、特に他者への思いやりもとても強く皆に愛されるキャストです。
新卒3年目になる節目では管理者になれるように生活相談員業務や他事務作業も積極的に行ってくれました。
仕事をしながら社会福祉士の試験にも合格し、これまでもこれからも頼りになる人材です。

小林奈津美 デイサービスクローバー・管理者(上司)

西田さんを一言で表すと、なんでもできるすごい人です!
ゲストのやりたいけどできなかったことを叶えてくれるイベントを開催し、ゲストの皆様から大好評で私たちの事業所の名物となっています。
その時のゲスト、キャストの笑顔がたくさん詰まった写真を使用して新しい事業所パンフレットも作成してくれました!
この事業所をさらに良い事業所にするために、常に考え、実現してくれています。
また、ゲストに優しい事はもちろんなのですが、常にキャストのことも気遣ってくれています。私の業務が終わらない時も、そっと一声掛け、手伝ってくれています。
ゲスト・キャスト共に、そんな西田さんの優しさに触れ、何度も救われています。

関桜季子 デイサービスクローバー・キャスト(後輩)

出会って一日目で勉強熱心な人なんだな、と思ったのを覚えています。
介助の仕方を教えるときには必ず理由を説明してくださるところ、研修を受けるならこんなのがあるよと紹介してくださったこと、過去の研修ノートのマメなこと……。常にゲスト一人ひとりの望む生活をどうしたら叶えられるかと探究している、何より姿勢の素晴らしい人です。
隣によく勉強する人があると、自分も何かやろう、とうずうずしてきませんか。私はなります(笑)。
西田さんはそういう人を動かす類の熱心さを持っていると思います。知識に裏打ちされた相手本位の熱心さです。