2月度発達療育実践研究会

2月度発達療育実践研究会研修に行ってまいりました。
今月の講師は、
川上康則 先生
都立特別支援学校主任教諭
臨床発達心理士
特別支援教育士スーパーバイザー
を務めておられる先生です。
テーマは、
発達につまずきがある子どもたちが待ち望んでいる授業づくりと学級づくり
〜本当はこんな授業を受けたかった〜
 
でした。
テーマの通り、国語の教科書に掲載されている(掲載されていた)物語4作品を元に、川上先生が、中心人物の心情の変化や、作者が作品を通して伝えたかった事を講義する形で進められました。
今回は更に、発達につまずきのある小学3年生のお子さんとそのお母さまを招き、川上先生が実際にそのお子さんとやり取りを交えながらの生授業でした。
私にとって勉強になったのは、川上先生のそのお子さんに接する時の声かけ、また、雰囲気でした。
谷川俊太郎作『かえるのぴょん』では、
川上先生が物語を4分割し、2分割目と3分割目の順番を答える問題をその子に出されました。
その問いに対し、そのお子さんは、本来とは異なる順番を答えてくれたのです。
それを受けた川上先生は、それは違うかな、と最初から指摘するのではなく、
「どうして(お子さんである)○○さんはそう思ったのか。皆さん、隣の人と話し合ってみて下さい」
と言われたのでした。
間違えでも、それは見方を変えれば新たな視点の1つになるかもしれない、とまずは肯定する。そして、意見交換を活発にし、理解を深める1つの材料にされたのでした。
これだけではなく、どんな答えに対しても、温かい語り口とにこやかな表情でそのお子さんと接する姿に、温かいものを感じずにはおれませんでした。
研修の最後で川上先生は、
「子どもの将来を支えるのは、
・レジリエンス(回復力・立ち直り力)
・自分を必要としてくれている人との出会い」
 
と言っておられました。
川上先生は高校時代に停学になった経験があるそうです。その際、当時の先生から、
「先生になってみないか?」
と言われたそうで、停学になった自分が、なぜ先生を目指した方が良いのか尋ねた所、
「学校にはもがき苦しんでいる生徒の気持ちを分かる先生が必要なんだ」
と言われた。
「それはまさに自分を必要としてくれている人との出会いだった」
とも話して下さいました。
今日の研修を今の自分に当てはめ考えてみると、このクローバーキッズへ来所してきてくれる子ども達のどこに着目し、どんな声かけを自らがしていくのか。
私にとっては日々の1コマ1コマが勉強なんだという思いを改めて強くしました。
いつか、この先生と出会えて良かった、と1人でも子どもに思ってもらえるように頑張ります。
今日は貴重な研修の機会をありがとうございました!
クローバーキッズ学芸大学  梶村